平成23年度 第3回港区議会本会議 本文へジャンプ


阿部浩子の区長への本会議質問

平成23年9月16日 


平成23年第3回定例会


1 放射能の除染について
2 子ども達の食の安全について
3 放射能に汚染されているゴミの処理について
4 広聴制度のあり方ついて

 平成23年第3回港区議会定例会において、社民党の阿部浩子が区長、並びに教育長に質問させていただきます。
 私は、5月にいわき市への視察、そして、7月には、福島原発から30キロを超えて風下地域に計画的避難を呼びかけられた飯舘村や南相馬市にも行って被災地をこの目でみてきました。放射能は目には見えませんが、ガイガーカウンターで計測することができます。誰もいない飯館村振興公社の牧場は、1mの高さの放射線量が、1.69μsv/h、そのそばにある側溝は17.96μsvと高い数値です。国は、福島県で除染を行っていく方針であることを発表しました。除染して、放射線量を下げなければ、この場所で生活することはできません。

 7月27日の衆議院厚生労働委員会では、「放射線の健康への影響」のテーマで学識経験者を呼んで参考人質疑を開きました。わが社民党の推薦で登場した東大アイソトープ総合センター長・児玉龍彦教授は、「熱量から計算すると広島原爆の29.6個分、ウラン換算では20個分が放出された、つまり今回の原発事故はチェルノブイリと同様、原爆数十個分に相当する量と、原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出した」それを、枝野官房長官が「さしあたり健康にあまり問題はない」と話しているのをみて、これは大変なことになると思ったそうです。児玉先生は、「内部被ばくの問題はがんであり、妊婦の胎児、幼児には非常に危険。」と述べ、除染の緊急性、早急な対策を訴えました。

港区では6月から子どもたちが利用する場所を中心に放射能を測定しています。砂場の放射能とその近くの放射線量です。この港区内でも9月1日測定日までに、セシウム134137の合計が200Bq/Kgを超える場所が13カ所あります。

まず、区内の数値の高いところから優先的に砂の入れ替えをすべきです。区長のお考えをお聞きします。(質問@)

私は、砂場から高い数値がでているということは、砂場以外のところでも放射能に汚染されていると考えます。そこで、できるだけ数値をゼロに近づけ、子どもたちが安心して活動できる場にしていかなければなりません。それには、一日も早い除染を行う必要があると考えます。
 8月に開催された区民向け講座において、放射線医科学研究所の先生に子どもたちの施設への除染の必要性について質問しました。「
社会的・経済的に達成可能な限り低く」国際的基準の付帯条件と同じことを私の質問に回答されました。

行政だけではこの除染活動が困難ならば、地域の方々、保護者の方々が一緒になって取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。

区長はこの除染について、どのように考え実行していくつもりなのか伺います。(質問A)

あわせて、教育長にも幼稚園・小学校・中学校のグランド等の除染についての考え方、実行についてお聞きします。(質問B)

  次に、子どもたちの食の安全性について伺います。

 7月14日から、学校給食、保育園給食の食材産地情報を保護者に提供しています。福島第一原発の放射能漏れの事故があって以来、子どもをもつ親は、子どもに食べさせる食材について、考え悩み、少しでも安全なものを子どもに食べさせたいと行動しています。7月にセシウムに汚染された稲わらを飼料とした牛肉の汚染問題が全国の流通に及び、ついに原子力災害対策本部は福島全域の牛肉の出荷停止をしました。すでに福島産の牛肉は首都圏をはじめ全国的に販売されており、消費者の口に入ってしまいました。子どもをもつ親は、こういった事例から食品の安全性について危惧しています。そこで、学校給食を少しでも安心して子どもたちに提供するために、杉並区は放射能測定器を購入し、食品検査を始めるそうです。世田谷区でも給食の牛乳を独自で検査をしました。

 港区でも保護者の不安を少しでも払拭するよう、保育園と学校給食の食材及び牛乳の放射能の測定を求めますがいかがでしょうか。(質問C)(質問D)

 また、杉並区のように食品の放射能測定器を区が購入し、食材について不安を感じている区民が測定でき、食の安全を自分の目で確認できるようにすべきです。区長のお考えをお聞きします。(質問E)

 国の暫定規制値についても、食品安全委員会が、パブリックコメントを募集しました。そこには、3千人を超える方々の声があったとそうです。放射性物質や食の安全に対する国民の関心の高さがあらわれた結果です。私は、先日、衆議院議員会館で行われた「安全なお米を給食に!」という会合に参加し、各省庁の方々からお話を聞いてきました。東日本大震災から半年がたちました。国は食品の暫定規制値を一日も早く暫定ではなく本格的運用できる数値を設定すべきです。子どもたちの内部被ばくを少しでも減らしていかなければなりません。

次に、放射能に汚染されているごみの処理についてお聞きします。

7月8日の飛灰の放射能濃度測定結果は、港清掃工場で、セシウム1341,390Bq/Kg、セシウム1371,420ベクレルであり、セシウムの合計が2,810べクレルでした。23区では江戸川清掃工場のセシウム合計で11,470ベクレルが検出されました。飛灰処理汚泥の測定結果も港清掃工場からは、セシウムの合計が2,075ベクレルです。

この調査結果について東京23区清掃一部組合は、「福島第一原発から排出された放射性物質が原因と考えている。ごみの種類を特定することはできないが、放射性物質が焼却に伴い濃縮されたものと考えている」としています。このことからも東京にも放射能が拡散していることがわかります。

国は、汚染されている汚泥や瓦礫、その他のものも焼却処分を行うことができるという考え方を示しています。しかし、廃棄物処理法は、放射性物質で汚染された廃棄物を対象としていないこと、また、放射性物質を取り扱うための対策や防護はとられていません。そうした場所に恒常的に放射性災害廃棄物を持ち込むことへの是非や安全性について、本来なら住民との事前の合意が必要なはずですが、住民は無視され放射能への不安は募るばかりです。

放射能に汚染された災害廃棄物の受け入れについても、全国の自治体で撤回が続出しています。理由は、「受け入れは住民の理解が大前提」「微量でも放射性物質が確認されれば、受け入れは考えられない」、「住民から放射能汚染への不安が多く寄せられており、理解が得られない」等となっています。これらの自治体の対応は、私は当然のことだと考えます。

東京都や23区清掃一部事務組合は、放射性物質に汚染された廃棄物を焼却処分するにあたって、事前に所在区の住民に説明し、合意を得るべきです。区長は一部事務組合の姿勢や説明責任についてどのようにお考えですか。お聞きします。(質問F)

829日付の環境省で発表した「一般廃棄処理施設における放射性物質に汚染されたおそれのある廃棄物の処理について」では、「焼却処理における安全性」を強調しています。しかし、ベラルーシでは、落ち葉を燃やすことを原子炉といっています。それは今の日本の廃棄物処理システムにはあてはまらないということなのでしょうか。どんなに高性能なバグフィルターでも100%ということはありません。

広く大気中に放射能を拡散させることの危険性が少しでもある廃棄物を焼却することについて、区長はどのようにお考えなのか伺います。(質問G)

原子力安全委員会の「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の影響を受けた廃棄物の処理処分等に関する安全確保の当面の考え方」(63日)では「処理・輸送・保管に伴い、周辺住民の受ける線量が年間1ミリシーベルトを超えないこと」を求めていますが、環境汚染、食品汚染などの被曝の上に、廃棄物処理の被曝が法令基準の1ミリ シーベルトに上乗せできるという根拠は一体どういうことでしょうか
 これでは、ダブルスタンダードというしかありませんが、住民の安全のための国が責任を持つ明確な基準を示すよう求めるべきと考えます。区長の見解について伺います。(質問H)

次に、区では、6月から放射能の区内測定をしてきました。この調査結果から、どのような分析がされているのでしょうか。お聞きします。(質問I)

すべてのことに理由が必ずあるはずです。給食、除染、砂の入れ替え、ごみのこと、また区民から寄せられている声について、区の放射能に対しての一定の考え方、今後の取り組みなど区民に公表することが必要です。説明会の開催、また、放射能に対しての区の考え方などの冊子を区民に配布すべきです。放射能問題については、今まで考えられていなかったことであり、今こそまさに区民と協働で解決していくべきです。区長のお考えについて伺います。(質問J)

最後に、区の広聴制度のあり方についてお聞きします。
 「区政へのご意見やご提案をお寄せ下さい」として、区では区民の方々からご意見を広聴はがき、広聴メール、FAX等で幅広く募集しています。また、葉書の受取人は、港区長であり、インターネットでも区長へのメールとされています。この様々な声は、22年度は1,521件、21年度は1,600件と、中でも広聴メールが662通、508通となっています。この寄せられている声は、「区長に報告します」とされているので、区長のもとには届いているものと思います。

また、回答がほしいなど記載されているものについては、区から回答することになっていますが、この返事には一定の時間がかかるものと聞いています。東日本大震災以降、震災や節電、放射能関係等短期間に多く寄せられた声については、回答が遅れているものもあると聞いていますが、返答を待っている区民もいらっしゃいます。区民の声が直接区長に届けられ、目を通していらっしゃるのであれば、受け取ったという返事も必要なのではないでしょうか。区民参画を目指している区長であれば、小さな声にも耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。私はこういった広聴制度のあり方についても今後改善していく必要があると考えます。

 区長は、この区民の声について、どう感じていらっしゃるのか、また、返事を待っている区民についてどうお考えになっているのか、区長の声をお聞かせ下さい。(質問K)

(区長答弁)

@放射能から子どもを守ることについてです。まず、砂場の砂の入れ替えについてです。砂場の砂については、現在、通常の維持管理の範囲において、順次砂の追加・入れ替えを実施しております。今後も、区民の安全・安心のさらなる確保の観点から、引き続き検討してまいります。

A(区長答弁)
 次に、子どもたちが利用する場所の除染についてのお尋ねです。本年8月、国の原子力災害対策本部において決定した「除染に関する緊急実施基本方針」によると、追加被ばく線量がおおむね年間1ミリシーベルト以下の地域では、面的な除染は必要ないとされていますが、側溝など局所的に高い放射線量を示す箇所があった場合については、国等と連携しながら除染を行うこととされています。このことから、区としては、今後、区独自の測定に加え、公園の植え込み、側溝などの放射能・放射線量の実態をきめ細かく把握したうえで、適切に対応してまいります。

 

B(教育長答弁)

 幼稚園・小学校・中学校のグランド等の除染についてです。 本年8月、国の原子力災害対策本部において決定した「除染に関する緊急実施基本方針」によると、追加被ばく線量がおおむね年間1ミリシーベルト以下の地域では、面的な除染は必要ないとされていますが、側溝など局所的に高い放射線量を示す箇所があった場合については、国等と連携しながら除染を行うこととされています。

 子どもたちが利用するグランド等では安全が最優先されることから、放射能・放射線量の実態をきめ細かく把握した上で、区長部局と連携して適切に対応してまいります。

C(区長答弁)

 次に、給食食材及び牛乳の放射能測定についてのお尋ねです。

 区では、安全な給食を提供するため、食材の納品時に鮮度や品質等の確認を行い、安全な食材の使用に努めております。さらに、給食食材に関して保護者の方々にこたえ、不安を解消するために、保育園での使用している食材や牛乳の産地を確認し公表しています。引き続き食材等の検査など、保護者の不安を解消する方策を検討してまいります。

 

D(教育長答弁)

 給食食材及び牛乳の放射能測定についてのお尋ねです。教育委員会では、安全な給食を提供するため、食材の納品時に鮮度や品質等の確認を行い、安全な食材の使用に努めております。さらに、給食食材に関して保護者の方々にこたえ、不安を解消するために、保育園での使用している食材や牛乳の産地を確認し公表しています。引き続き食材等の検査など、保護者の不安を解消する方策を検討してまいります。

 

E(区長答弁)

 次に、放射能測定器を区が購入することについてのお尋ねです。食材等の放射能の検査方法については、引き続き、保護者の不安解消に向けて検討してまいります。

 

F(区長答弁)

 次に、放射能に汚染されているごみの処理についてのお尋ねです。まず、東京23区清掃一部事務組合の姿勢や説明責任についてです。東京都は、被災地の早期復興のため、災害廃棄物処理の受け入れを、東京23区清掃一部事務組合と各自治体及び民間事業者が共同で行う方向性を示しています。実施する場合にあたっては、東京都と東京23区清掃一部事務組合は、区民の安全、安心を確実に確保するとともに、清掃工場所在区との調整を行い、区民へ丁寧な説明をすることで、区民の合意を得るべきだと考えています。

 

G(区長答弁)

 次に、廃棄物焼却についてのお尋ねです。東京23区清掃一部事務組合が運営している清掃工場は、焼却管理の徹底と適切は排ガス処理により、安全に焼却できるシステムとして確立されています。また、現在、清掃工場から排出される排ガス及び放流水については、東京23区清掃一部事務組合の放射能濃度測定によると、すべての清掃工場で不検出、また国が示した基準を大きく下回っており、環境に与える影響は極めて少ないと考えております。これらのことから、現在、清掃工場での廃棄物の焼却については、東京23区清掃一部事務組合によって、適正に処理されていると考えています。

 

H(区長答弁)

 次に、放射能に対する明確な基準を国に求めることについてのお尋ねです。本年6月には、特別区区長会から、国に対し、学校・幼稚園・保育所等における放射線量の安全基準値の早期設定及び安全基準値を超えた場合の対応策を示し、その対策等に要した費用を国が全額負担することを求める緊急要望を行っています。今後も、必要に応じて国へ要望するなど、適切に対応してまいります。

I(区長答弁)

 次に、これまでの放射能測定結果の分析についてのお尋ねです。区は、区内の放射能・放射線量の実態を把握し、速やかにその実態を区民の皆さんにお知らせすることが重要であると考え、区独自の放射能・放射線量測定を行っております。引き続き測定を継続し、測定結果の集積に努め、今後の対策に生かしてまいります。

J(区長答弁)

 次に、区の放射能に対する考え方を区民に説明することについてのお尋ねです。区では、現在、放射能に関する区の取り組みや区独自の測定結果について、ホームページや広報紙などで、区民の皆さんにお知らせしています。また、放射能についての正しい知識を区民の皆さんに提供するために、放射能に関する講演会を8月に2回開催しました。今後も、区民の皆さんの安全・安心をより確かなものとするために、区の放射能に対する考え方など、広く区民の皆さんにお知らせしてまいります。放射能問題については、かつて経験したことがないものであり、区と区民の皆さんで知恵を出し合い、問題解決に取り組んでまいります。 

K(区長答弁)

 最後に、区の広聴制度のあり方についてのお尋ねです。区政に対する区民の皆さんの声は、「区長と区政を語る会」や「施設広聴会」などで私が直接お聴きするほか、広聴はがきや広聴メール、電話やファクシミリなどにより寄せられたものについても、全て私が確認しております。いただいた区民の皆さんの声は、一日も早く説明や回答をすることで、区政に対する期待に応えていくことが大切と考えております。今後も区民の皆さんからの意見等に対しては、迅速にお応えできるよう標準的な回答期間を設定するなど、広聴制度の改善に努めてまいります。