平成16年第1回港区議会定例会質問
平成16年第1回港区議会定例会にあたり、ネットワークみなと社民の阿部浩子の質問を区長並びに教育長にさせていただきます。
今年6月は港区長選挙があります。区長は4年間の任期を終えますが、昨日の所信表明の中で、「私の愛すべき港区において花開いている、成熟した都市文化を享受し、区民の皆様とともに、さらに発展させるための様々な取り組みを実践します」との発言がありました。4年間の総決算としてより前向きな答弁を御願い致します。
まず、第一に平成16年度予算編成についておたずねします。
今年度の予算は、区民満足の最大化と区民不安の最小化を実現する予算として「創造型予算」とされています。中でも、「創造型重点分野」とし4分野12事業7億4,288万円を計上しています。それでは、創造型重点分野の中にある、「MINATOブランドの発信について」いくつか質問致します。
昨年から区民の方々に「MINATOブランドって何?」という質問を度々受けてきました。そして、昨年の区民祭りの際に増上寺で行なわれたM計画のキックオフイベントにも参加しました。しかし、私自身もMINATOブランドと名づけた意味が未だによく理解できません。今回の予算でも「MINATOブランド創造・発信事業」として5670万円が計上されています。この5670万円は、「(仮称)MINATOブランド開発研究所」の設置準備を進め、地域ブランドの調査・研究、新たなブランドの掘り起こし等を行なうとのことです。一言では、5670万円かもしれません。しかし、どの位大きな金額なのかと他の予算と見比べた時に、この額は、小学校卒業までの入院費を助成する「子ども医療費助成」と同じ位の金額です。しかし、これは目に見えない物に対しての予算です。
そこで、この予算額で「(仮称)MINATOブランド開発研究所」を設置準備をしていく費用対効果をお聞きします。
そして、このMINATOブランドは「M計画」という愛称で呼ばれているとのことですが、この目的は「じぶんたちのまち・地域を理解し、愛し、誇りに思える」運動を起こすとのことです。それでは、わざわざ、MINATOブランド開発研究所を設置しなくても、区民の方からの声で様々な運動は起こせることと思います。
MINATOブランドの研究所に多額な税金を投入しなくても、ボランティアの区民や在勤の方で、いくらでも知恵の寄せ集めでいいアイディアはでるものです。「MINATOブランド」でやすらぎある世界都心になることより、港区に住んでよかったと思える事業を進めていくことが大切です。名前や形にとらわれるだけではなく、M計画が、区長の目指す「区民満足の最大化と区民不安の最小化を実現する」創造型予算にふさわしいものかどうか、答弁を御願い致します。
先ほども触れましたが「子ども医療費助成」の予算が計上されました。この助成は、区民の子育て中の誰もが心待ちにしていました。しかし、港区の「子ども医療費助成」は、小学校卒業までの食事療養負担分を除いて助成します。他区でもこども医療費助成が始まりますが、品川区では小学校卒業まで、通院・入院費どちらも医療費のすべてが助成されます。北区では中学校卒業するまで、入院費にかかる食事療養負担分まですべてを助成します。予算編成で創造型重点分野として「子どもの「育ち」を支える環境整備」を進めるとしている区長としては、品川区や北区の子育て支援策をどのように評価しているのでしょうか。港区でも同様な事業としてすぐに始める場合、予算上は問題がないと考えます。港区でも通院・入院費の医療費助成にすぐにでも取り組むことを強く御願い致します。
次に、「子育て王国基金」についてお尋ねします。
来年度、子育て王国基金として10億円が予算化されました。この基金は地域ぐるみで、仕事と子育ての両立を支援するとともに、子ども達の健やかな育ちを支えるとあります。しかし、この10億円のうち、わずか5事業 4,460万円しか、新年度事業として計上されていません。この「子育て王国基金」の使われ方に期待していた区民はがっかりしたことと思います。今後、この10億円の基金をどのように使っていくのか答弁を御願い致します。
2番目にこれからの区立学校のあり方についていくつか質問致します。
今年の3月で飯倉小学校が教育環境の整備という視点から廃校となります。しかし、子どもたちや保護者は納得しているでしょうか。飯倉小の対象となる31人の子ども達のうち、まだ10人しか学校が決まっていないとのことです。適正配置は子どもたちそして保護者の理解と納得があって行なわれるべきです。
飯倉小の廃校が決まってから、様々な方々から次はどこですか?との質問を多く受けます。全児童数が100〜130人の小学校が数校あり、次はその学校だと噂があるからです。中学校においては、港区立適正規模等審議会答申において、200人程度の確保とありますが、200人以下の中学校は半分以上あります。
区長並びに教育長は港区の学校教育のあり方をどのように考えているのでしょうか?教育環境の整備でどんどん学校を減らしていくつもりなのでしょうか。ビジョンを示してください。
さて、今後の港区の公教育と学校選択制の関係についてどのような認識をお持ちでしょうか。
通常、公教育における学区域は、子供の教育を受ける権利を具体的に保障し、教育の普及や機会均等を図るために通学する学校を指定すること。実際の学校運営において、教育条件、学校規模、施設・設備、通学条件、教員配置などを計画的に整備することが求められ、そのために学区が必要であること。その学校が居住地にあることで、子供の成長、発達に及ぼす地域の教育力が期待できることと考えます。
学校選択制の導入で、特定の地域に公立学校が存在しなくなったりするようなことが今後あってはなりませんし、どの子も、どの学校でも基礎的学力が身につくようにすることが、公立学校としての責任です。公立学校は地域の財産です。その教育財産を有効にそれぞれの学区域で活用できるようにすることが、区長・教育長の責任と考えますが、如何でしょうか。答弁を御願い致します。
区立の全ての小中学校で魅力ある公教育を実現し、児童・生徒数がどの学校においても適正規模を維持できるよう地域・保護者とともに区長・教育長の協働を求めますが、如何でしょうか。答弁を御願い致します。
次に、港区の特徴を生かした国際理解教育についてです。
港区には66の大使館があり、外国人登録数も 17,000人もいます。そして、外国人むけのスーパーなども数店あります。こんなに身近に外国人が多く、英語が街で溢れていても、英語を話せる区民はどれだけいるのでしょうか?日本の英語教育は書くほうがメインで話すほうはまだまだ遅れています。文部科学省では、2005年度までに英語教育のあり方として、小学校で英語教育を必修化とする検討会を設置する方針です。港区では、教育特区として、小・中一貫教育で英語教育を進め、中学校では国語以外の教科を英語で行なうことを提案していますが、その際、公立学校に区外から転入や区外に転校してしまう生徒についてはどう考えているのでしょうか。疑問に思います。
まだ提案の段階で、いつ申請ができるかわからない、特区を待つのではなく、「これからの港区の教育を考える委員会」の報告書の答申にもある、国際理解教育の充実・拡大すなわち、港区独自の英語教育に力をいれるべきです。答弁を御願い致します。
現在、小中学校では総合学習でNT派遣事業を行なっていますが、まだまだ回数、共に質についても充実したものとはいえません。せめて中学校では週1回など行なうべきだと考えますが、答弁を御願い致します。そして、NTは学校によって、イギリス国籍やアメリカ国籍などさまざまな講師を現在派遣しています。英語の中でもアメリカ英語とイギリス英語は発音及び意味が異なりますがどのように考えているのでしょうか?答弁を御願い致します。
また、学校の特色作りとして、三光小学校及び幼稚園はこの他に、テンプル大学の学生の英語授業をしています。外国人が多い港区として、外国人による英会話の授業を小学校だけではなく、幼児期からの教育の充実が必要だと考えますが、答弁を御願い致します。
次に学校評価と学校改善プランの策定はどのようにすすめているのでしょうか。答弁を御願い致します。
次に港区の不登校児について質問致します。港区内の小中あわせて全体の不登校の生徒は60名います。この不登校の理由及び対策についてどのように考えているのでしょうか?また、今年度からスクールカウンセラーの導入が始まりました。効果はどのようにでているのでしょうか?答弁を御願い致します。
小中学校が「ゆとり教育」という枠組で学校完全週5日制を導入して2年になりますが、教育委員会が発行した平成15年3月の「港区の子ども生活実態調査」の中で、土曜日のすごし方として小中学生両方ともが家の中でテレビを見たり、ゲームをしたりする生徒が多い結果となっています。これでは何のためのゆとり教育かわかりません。勉強だけとはいわなくても、ボランティアやスポーツなどもっと社会参加を教育の場で推進すべきだと考えますが、いかがでしょうか?答弁を御願い致します。
また、その調査結果を受けて、教育委員会はどのように対応したのかお聞かせください。
次に、「健康みなと21(案)」の中に「子どもの健康づくり」がありますが、これは健康推進課だけではなく、学校での指導が必要不可欠です。例えば、朝食を食べてこない生徒は小学校では 27.3%、中学校では 37.1%います。睡眠についてもあげられます。夜更かしをしている子ども達は朝食べない傾向にあります。食育としてももっと教育の場で指導をしていくべきだと考えます。答弁を御願い致します。
次に、学校給食について伺います。学校給食は、食=生活と農業=生産をつなぐ一番身近な結び目であり、教育活動の一貫です。日々の給食の営みそのものが、地域社会と農業・漁業とを結ぶ架け橋としての意味をもっています。その検証はどのように行なわれているのでしょうか。BSE問題や鳥インフルエンザ等、食をめぐる安全性、信頼性を揺るがす問題が連続しています。
引き続き、学校給食の安全という観点からの残留農薬や既存添加物、遺伝子組みかえ食品や新開発商品などについての指導のあり方、自然界から得た滋養のある食味を大切にすること、安全な食の生産と流通の透明性確保重視などの考え方についても検討すべきです。
これらの課題について、引き続き保護者や公募委員を含めた「学校給食あり方に関する検討会」で、検討し保護者に情報提供すべきだと考えます。答弁を御願い致します。
4月から赤坂中で学校給食の調理業務の民間委託がはじまります。いたずらに民間委託を急ぐべきではありません。教育委員会が実施したアンケートでも調理業務民間委託の反対が多かったことが明らかにされていますが、子どもの命につながる学校給食は、安全性と安定性を保護者は望んでいることを忘れないで頂きたいと思います。
第24回港区世論調査報告書の中でも、区民の76.7%の人が学校教育の充実を願っています。
区長がNO1の世界都心 港区を目指すのであれば、教育の充実にも全力で取り組んでいただきたいと思います。区長の見解をお聞かせください。
以上でネットワークみなと社民の質問は終わります。
《区長答弁》
ただいまのネットワークみなと社民の阿部浩子議員のご質問に順次お答え致します。
最初に、平成16年度予算編成についてのお尋ねです。
まず、MINATOブランド創造・発信事業の費用対効果についてです。
住み、働き、訪れる場所として魅力の高い港区が、今後も人々に選ばれるまちであり続けるためには、地域の様々な資源を掘り起こし、魅力をブランド価値として高めることが重要です。
このような取組を通じて、新たなコミュニティーが形成され、地域の賑わいや活力を生み出す運動を展開して参ります。
区民が誇れるまちの創造・発信は、区民が将来に夢を抱き、訪れる人々、企業に活力をもたらすなど、大きな経済効果も期待できるものと考えています。
次に、M計画が創造型予算にふさわしいかどうかについてのお尋ねです。
ご指摘のとおり、現在でもNPOやボランティアの方々が様々な分野において活動されています。
M計画では、(仮称)MINATOブランド開発研究所を創設し、国民と行政が協働して、区の魅力を高める方策を検討することを1つの目標としています。
イベントや一過性の取組ではなく、息の長い創造・発信の運動が不可欠です。区民が満足し安心してくらせるまちを、具体化する新たな仕組みを創造するもので、既存の行政の枠を超えた取組です。
このようなことから、創造型予算にふさわしい事業と考えております。
次に、子育て王国基金についてのお尋ねです。
基金は、区民をはじめ民間も含めた地域ぐるみで、仕事と子育ての両立の支援をするとともに、子どもたちの健やかな育ちを支えるための、事業に要する経費の財源に充てるため設置するものです。
この基金は、5年から10年程度を想定し、基金の設置目的に沿った、重点的、臨時的、呼び水的な事業の経費に充当してまいります。
平成16年度は、庁内関係部課との連携のもと、企業内保育所等設置支援事業、仕事と子育て両立支援事業を創出し、その経費に充当します。
今後は、区民をはじめ民間も含めた「地域ぐるみ」の観点を基本に、子育て支援に関る地域の民生・児童委員をはじめ、NPO、企業などの方々とともに議論・協議する中で、地域の子育て力を高めるための事業を創出して参ります。
最後に、学校教育の充実についてもお尋ねです。
教育行政については、ご承知のとおり教育委員会が、長から独立した機関として管理執行しております。
次代を担う子どもたちを育む学校教育の充実は重要な課題であり、私としては、今後も教育委員会と密接に連携をとりながら、港区の学校教育の充実を支援してまいります。
よろしくご理解のほどを御願い致します。
教育に係わる問題につきましては、教育長から答弁いたします。
《教育長答弁》
ただいまのネットワークみなと社民の阿部浩子議員のご質問に順次お答えいたします。
最初に、これからの区立学校のあり方についてのお尋ねです。
まず、教育環境の整備についてです。
現在、学識経験者、区立学校PTA及び学校長で構成する「港区立小・中学校配置計画等検討委員会」を設置しました。
今後、この検討委員会からの答申なども踏まえ、区立学校の教育環境の整備のあり方などについて検討してまります。
次に、公教育と学校選択希望制についてのお尋ねです。
学校選択希望制は、「特色のある学校づくり」「魅力ある学校づくり」「地域に開かれた学校づくり」などの実現をめざして導入いたしました。
学校選択希望制の実施により、従来の通学区域に加えて、新たな地域と学校との結びつきが構築されるものと考えております。
また、地域社会との新しい関係の中で学校を地域の財産として活用していくことも重要であります。
次に、魅力ある公教育の実現についてのお尋ねです。
各学校においては、保護者や地域の方々の要望を受け止め、必要に応じて連携・協力を得るなど、保護者や地域と一体となった取り組みをすすめております。
今後とも、保護者と地域から一層の協力を得るために、区長部局と連携を図り、魅力ある学校づくりを推進して参ります。
次に、国際理解教育の充実・拡大についてのお尋ねです。
国際理解教育においては、外国の方々とのコミュニケーション能力を高めることや、我が国の歴史や伝統、文化を尊重する態度を育成すること重要です。
英語教育については、小学校から外国人講師を派遣し、英会話の学習はもとより、授業以外にも児童生徒と外国人講師が人間的にふれあうことにも取り組んでいます。
今後とも国際理解教育の一層の充実を図ってまいります。
次に、外国人講師の派遣事業についてのお尋ねです。
外国人講師の派遣については、中学校では基本的に月に一週間程度、連続した派遣を行なっています。
今後外国人講師の派遣回数については、小中学校の実態を踏まえ検討してまいります。
また、外国人講師の発音についてですが、講師の出身国により、多少の違いはありますが、基本的には指導力があり、児童生徒のコミュニケーション能力育成にふさわしい外国人講師を派遣しております。
次に、幼児期からの教育の充実についてのお尋ねです。
幼児期から外国の人々とふれあい、英語に親しむとともに言葉の違い等を自然に受けいれる事は、幼児にとって望ましいと考えます。
幼児期からの国際理解教育の充実については、今後検討して参ります。
次に、学校評価と改善プランの策定についてのお尋ねです。
学校改善プランは、よりよい教育の実現を目指し、内部評価や外部評価の結果に基づいて校長が策定するものであり、次年度の「学校経営計画」の中に具体的に盛り込んでいきます。
「学校経営計画」は、こうした手法により、学校の実態や課題に即して策定するもので、校長が目指す学校像や目標を明示し、学校運営を組織的、計画的に進めております。
次に、不登校の理由及び対策についてのお尋ねです。
不登校の理由は、個々の児童生徒の家庭状況や学校における人間関係、成長過程における心身の状況など、様々な要因があります。
不登校の児童生徒については、小中学校でのスクールカウンセラーによる相談や、つばさ教室による支援を行なっております。
今後とも、不登校対策について、一層の充実を図ってまいります。
次に、スクールカウンセラーの導入効果についてのお尋ねです。
学校からは「教員には話しにくいこともカウンセラーには話せる」「教員や保護者が抱える悩みの相談にも応じられる」ことなどが報告されております。
今後は、本事業の成果と課題を見極めながら、相談機能の充実を図ってまいります。
次に、子どもたちの土曜日の社会参加についてのお尋ねです。
各小中学校では、保護者、地域の方々と連携した、ボランティアや社会体験などの活動を通じて社会参加への意識を高めるように努めています。
今後とも、これらの活動の一層の充実を図ってまいります。
次に、「港区子どもの生活実態調査」を受けた教育委員会の対応についてのお尋ねです。
「港区子どもの生活実態調査」につきましては、今年度、生活指導主任会でその分析を行ないました。
今後、その結果をもとに、校内における生活指導体制の見直しや、家庭・地域への協力を呼びかけるなど、具体的な施策や対応に生かしてまいります。
次に、子どもの健康づくりについてのお尋ねです。
現在、子どもたちの食生活が大きく変化している中、子どもが心身ともに健やかに育つためには、家庭での対応のほか学校での働きかけも必要です。
望ましい生活習慣を身につけるためにも、今後さらに家庭、学校が連携し食の教育に取り組んでまいります。
最後に、学校給食についてのお尋ねです。
「学校給食のあり方に関する検討会」の提言を受けて、食の安全の確保の一環として、平成16年度からエコ給食ネットを開始します。
エコ給食ネットでは、学校給食から発生した残菜・残飯は生ゴミ処理機で有機肥料の素材となります。この肥料を使って提携農家が栽培した減農薬・有機野菜を学校給食で使用します。
この野菜は栽培履歴や生産者が分かる仕組みとなっております。
エコ給食ネットの取り組みは今後拡充して、安全な食の生産と流通の透明性をより一層高めるとともに、保護者にこれらの情報を提供してまいります。
よろしくご理解のほどを御願い致します。