平成17年第1回港区議会定例会
一般質問

 

平成17年第1回港区議会定例会にあたり、ネットワークみなと社民の阿部浩子は、今年も「区民が主役」の港区政の実現を目指し、全力で取り組むことを区民の皆様にお約束して、区長に質問させていただきます。区長の所信表明には、「区民生活の向上のため、区民の声に真摯に耳を傾け、必要なところは適宜適切に財源を投入して臨機応変に施策を展開することも必要です。」とあります。このことを評価し期待して、質問にうつります。

 まず、第一に区の減災の取り組みについておたずね致します。

区長は、所信表明の最初に「自然災害を防ぐことは困難ではありますが、被害を最小限に抑えることは可能」だとし、「災害に対する備えを万全なものする必要がある」と述べました。区長の姿勢を私は積極的に評価するものです。

昨年の防災白書では、「減災」を大きく取上げ、地震が発生した後の対策ではなく、自治体は事前に対策を取ることで被害を軽減する「減災」政策に転換する必要があること、また、阪神大震災の死者は、八割以上が住宅倒壊が原因で、民間住宅の耐震改修で被害は数分の一から数十分の一まで減るとしています。

区長が、今回の予算で木造住宅の無料の耐震診断と耐震改修の助成等を行うことは、積極的な「減災」政策として評価するものですが、1981年以前に建設され、耐震上問題があると想定されている建築物は、港区内にどの程度あるのか、今後長期的にはどの程度の目標でこの事業を進めていくのかを伺います。

次に、新年度予算で、港区の平和都市宣言の20周年を記念し、核兵器の廃絶と心からの平和への願いを込め、港区立芝公園に「平和の灯」を設置するという区長の考えは区民の歓迎するものです。

さて、広島市長が会長を務める平和市長会議や長崎市長が会長を努める日本非核宣言自治体協議会との連携について伺います。平和市長会議には110カ国・地域の714都市が加盟し、非核協は、港区も含む、国内の非核宣言都市300自治体で構成されています。港区民が「うるおい心豊かに」「日々安心して暮らせるまち」づくりのために、非核平和において自治体が連携を図ることは重要です。

218日には、広島市長、長崎市長等が、「2000年のNPT再検討会議では『核兵器の全面廃絶に対する明確な約束』が合意されたが、現在の核軍縮を取り巻く情勢は極めて危機的」と外務省等に要請を行ない、平和市長会議が求めている「2020年を目標にした核廃絶」に向け積極的な役割を果たすよう求めていますが、非核協に加入している港区として区長の考えを伺います。

次に、区民参画についておたずね致します。

区長は、所信表明で基本計画・後期3ヵ年の見直しについて触れ、「今回の見直しでは、新しい試みとして、計画を見直す極めて初期の段階から、公募による区民の参画を得る「みなとタウンフォーラム」を開催しています。」としていますし、次世代育成支援対策行動計画などにおいても、区民が地域協議会委員会として参画することや、区民懇談会での区民の声も反映させてきました。また、ホームページにおいてもパブリックコメントなど受付をしています。

しかしながら、港区における区民参画についてのガイドラインは、現在のところありません。

区長は、所信表明において「区民参画」を制度として構築するとし、平成17年度においては基本計画等での「区民参画システム」の構築を行なうとし、平成18年度からは「本格実施」を行なうとの姿勢が述べられていますが、積極的な取り組みを求めるものです。

さて、この「区民参画」を制度として構築することに関しては、全国の自治体で「区民主権」を明記した「自治基本条例」が制定されていますし、「自治基本条例」だけでなく、別に住民参画条例や「区と区民との対等な関係」を条例化した「パートナーシップ条例」や「協働条例」などを定めている自治体が多くなってきています。
 2000年の地方分権改革以降、各自治体でのこれらの取り組は活発化していますが、地方分権において重要な課題は、流行のように「自治基本条例」等を形だけ作り上げるのではなく、住民に一番身近な政府としての自治体が、具体的な住民参画のあり方を積極的に構築し、それを「条例」化という方向に一歩づつ進めることが重要だと思います。
 先日、日本地方自治学会理事長でもある明治大学大学院長の中邨章氏の著作を読みましたが、「住民参画」や「住民主権」、「パブリックコメント」という問題について大変参考になりました。

区長は、こういった識者の研究・調査・指摘についても、あらためて十分に検討し、港区における「住民参画」のあり方については、区民とともに具体化を進めるべきと考えますが、如何でしょうか。

次に、総合的なペット施策についてお尋ね致します。

ペットと共生できるまちづくりについては、多くの議員がとりあげてきました。また、15年度の決算特別委員会においても、ネットワークみなと社民として「ドックランの設置」について要望してきました。しかし、残念ながら新年度予算概要ではペットのことについては全く触れられていません。先日、保健福祉常任委員会にみなと保健所再編整備の基本構想について報告がありましたが、ペットのことは保健所が窓口でもあるにもかかわらず、全く基本構想にはありませんでした。

 平成16年12月現在で、港区の犬の飼い主登録数は5,625頭で、年々、数が増加傾向にあります。しかし、街を歩くと出会う犬の数に登録されている以上の犬が港区にいることがわかります。ペットにおける苦情件数も同様に年々増加し、中でも多いのは排泄物です。港区では、平成10年4月1日に「港区を清潔できれいにする条例」が施行されました。この条例の目的には、たばこの吸殻やポイ捨て、ガムや空き缶を港区からなくすことを、また、区民の責務として第4条3項には、「区民等は飼い犬を散歩させる時には、その飼い犬のふんを持ち帰るよう努めなければならない。」とされていますが、この条例から7年たとうとしている現在でも、ペットの排泄物に区民の多くの方が困っているのが現状です。
 区内の集合住宅ではペットと一緒に住むことができるマンションが増えています。ペットは飼い主にとってみれば家族の一員でもあるのです。また、障害をもつ人にとっては、盲導犬や介助犬は自立し社会参加をするにはかかせないパートナーです。そして、犬やねこの他にも様々な種類の動物が家庭で飼育されています。単身世帯では、ペットブームで犬を購入しても仕事で散歩できなくて困っている人や、子どもが出来て手放さなければいけない人もいます。また逆にペットが欲しい人もいます。ここでお互いが合致すれば処分されるペットの数も減少するのではないでしょうか。

  国では、『動物の愛護及び管理に関する法律』が制定されており、東京都では『動物の愛護及び管理に関する条例』が制定されています。

 また、磯子区では、「ネコの飼育ガイドライン」があり、ホームレス猫や地域猫についても取上げています。福岡市では「動物の愛護に関する条例」など人とペットが共生できるまちをめざしています。世田谷区は、「人と動物との調和のとれた共生に関する条例」を15年12月に制定しています。

 国の「動物の愛護及び管理に関する法律」では、第4条に動物愛護週間として、国及び地方公共団体は、動物愛護週間にその趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなればならない」とありますが、港区では広報に掲載するのみにとどまっています。

 また、犬を飼った時、保健所に登録しなければいけませんが、港区では推定される数より少ない5,625頭、また、狂犬病予防注射票交付数は、その中でも3497頭のみです。登録することすら知らない区民、または、狂犬病予防注射すらしていない犬も多いです。災害の際には、港区災害医療救護活動マニュアルがありますが、被災した場合の動物の保護についてもとり決めています。しかし、港区内にいる実際の犬の数がわからなければマニュアル通り機能するとは思いません。区内にあるペットショップとも連携をとり、狂犬病の予防接種の案内、登録制度の仕組みなど飼い主に周知すべきと考えますがいかがでしょうか。
  犬の登録や狂犬病の予防接種は生活衛生課、またドックラン設置については土木事業課、ペットの排泄物の条例等については環境課、動物の保護と管理は東京都動物愛護相談センターなど、ペットひとつにとってもわかりにくい仕組みとなっています。

 ペットを飼っている人はマナーを守り、また、港区でペットと共生できる環境づくりに区は努めていく時期にきています。

区民が飼育しているペットの課題は、区民の身近な行政である地方自治体にとっても大きな問題です。国や東京都だけに任すではなく、基本計画の見直しをすすめている現在、その中にもペットについての総合政策に取り組むべきだと考えますがいかがでしょうか。 区長の見解をお聞かせください。

 

 次に駅前の放置自転車・住宅街での放置バイクについてお尋ねいたします。

所信表明では、「安全・安心なまちづくり」が重点課題として取上げています。

新年度予算でも、「自動二輪駐車場整備助成」などがバイクへの取り組みとして計上されています。まちを歩いてみると、歩道にバイクが駐車してあったり、住宅街の狭い道路にもバイクが何台も止まっていたり、道路がすでにバイク置場になっている地域もあります。「安全・安心なまちづくり」の観点からすると、バイクは私たちにとっていつ倒れてくるのかわからない危険なものです。止めたときは高温で、マフラーにふれるだけでもやけどをしています。何故、住宅街にバイクが止まっているのでしょうか。それは、集合住宅ではバイクの駐輪場を設置していないところが多いからです。ワンルームマンションが多い地域は特にその傾向が顕著です。

4月から施行される単身者向け共同住宅の建築及び管理に関する条例はバイクの駐輪場設置の義務付けはありませんし、区の基本的な姿勢は警察が対応するというものですが、警察との連携を更に強化し指導を徹底すべきです。安心・安全なまちづくりという観点からも総合的な取り組みを実施すべき考えますが、区長の見解を聞かせてください。

また、路上に放置されているバイクと同様に、放置されている自転車も車イスやベビーカーにとってはとても危険なものです。港区では、放置自転車を撤去するまで最低でも2週間がかかります。つまり、通勤や通学等のために朝から夕方まで放置されている違法駐輪は撤去できない仕組みです。区では駐輪場を設置している地域もありますが、これらは実際稼動しているのでしょうか。駐輪場がある田町駅東口などでは、多くの自転車がロータリーに止まっています。駐輪場に入れるのを面倒くさがったり、また料金の支払いを嫌がっている人もいるのです。1人が駐輪するとまた1人、放置自転車は個人のマナーの問題といわれていますが、歩行者にとっては迷惑で危険なものです。

所信表明には、「安全な歩行空間づくり、さらには質の高い都市景観を実現します」とりますが、区民の方からもこの放置自転車をどうにかしてほしいと多くの声を聞いており、緊急に解決する課題です。自転車問題についても区として、駐輪場の建設だけではなく、更に真剣に取り組む時期ではないのでしょうか。

江戸川区では1ヶ月間、リンリンらくらくサービスを試行しました。駅前から駐輪場まで自転車を有料で搬送するサービスです。他の自治体は放置自転車の解消にむけ、様々な試みをしています。

港区には「自転車等の放置防止及び自転車等駐輪場の整備に関する条例」が制定されています。この第11条には、「区長は放置禁止区域内に自転車等が放置されているときは、当該自転車を直ちに撤去できる。」とあります。

駐輪場のある地域は、放置自転車の即撤去や、駐輪場のないところでは、自転車を整理する地域を拡大するなど、港区でも自転車施策について総合的に進めていくべきです。

バリアフリーのまちづくりを進めようとしている区長の見解をお聞かせください。

 
 最後に、港区の文化・伝統の発展と都市間交流についてお尋ね致します。

港区は、江戸時代からこの地に先祖が住んできた方と戦後に全国から港区へ集まってきた方、外国人の方々と多種多様な方が住んでいるまちです。

区では、現在、災害応急対策活動の相互応援として25区市町村と協定を結んでいます。また、地域活動支援課では、海外都市との親善友好交流として、北京市朝陽区及びオーストラリアのウララ市の2都市と、また商店街はそれぞれに全国の各都市と交流していますし、小学校では、例えば御田小が秋田県の美郷町と交流をしています。一般区民にとっては、港区がどこのどの都市と交流しているのかさっぱりわからない状況ですが、東京以外の出身者にとっては自分の故郷と区が交流していることが分かれば、それは嬉しいものです。

全国各地の市町村のことを知ることは文化交流として大切です。区長は、「文化振興条例」を新年度より検討するとしていますが、港区の文化・伝統と全国各地の文化・伝統の交流もその視野に入れてみたら如何でしょうか。

都心港区として、全国の各地の市町村と姉妹都市を結び、文化・伝統、地域産業や観光など様々な交流を持つことが、港区の文化・伝統・歴史の再発見や産業振興につながるとともに、港区の文化の多様性と発展をつくることになると考えますがいかがでしょうか。区長の見解をお聞かせください。


《区長答弁》
 ただいまのネットワークみなと社民の阿部浩子議員のご質問に順次お答え致します。
 最初に、耐震診断と耐震改修についてのお尋ねです。
 耐震化が促進するよう、木造住宅の一部を対象に無料耐震診断を実施するとともに、耐震改修工事等の一部を助成します。
 これらの制度の対象となる旧耐震基準の建築物は、区内に7千棟程度と推定されます。
 平成17年度は、まず100棟を対象とした無料耐震診断と、耐震改修が必要な建物への助成を70棟程度予定をしています。
 事業規模については、申込み件数等の推移を踏まえ検討してまいります。
 
 次に、日本非核宣言自治体としての取り組みについてのお尋ねです。
 昨年7月、日本非核宣言自治体全国大会において、平和市長会議が推進する「核兵器廃絶のための緊急行動」を支持する決議が採択されました。
 区は、日本非核宣言自治体協議会の一員として、恒久平和の実現と核兵器の廃絶を広く訴えてまいります。
 平成17年度は、平和の灯の設置をはじめとした港区平和都市宣言20周年事業を通じ、より効果的な平和事業に取り組んでまいります。


 次に、区民参画のあり方についてのお尋ねです。
 私は、区民との情報の共有化を徹底した上で、相互理解に基づく新しい施策を区民と共につくりあげることが重要であると考えます。
 現在、基本計画見直しにあたってのみなとタウンフォーラムや街づくりマスタープラン検討委員会で、区民の皆さんからさまざまなご意見を多数いただくなどして、相互理解のもと、区民とともに行う施策つくりに取り組んでいます。
 平成17年度にはこれらの取り組みを試行、さらには検証するなかで、区民参画の指針となる「区民参画システム」の策定をします。策定にあたりましては、区民の皆さんの意見を伺いながら具体化してまいります。

 次に、総合的なペット施策についてのお尋ねです。
 ペットに関しましては、区民から様々な考え方に基づく意見や要望が増えております。
 区では、パンフレット・ポスターの配布、広報みなとへの掲載による普及啓発を行っており、また、動物愛護推進員との懇談会等を設け、ペットとの共生のあり方を含め、議論しております。
 ペットに関する問題は、意見が分かれる事が多く、十分な調整が必要です。
 今後は、庁内の連携体制のもと、区のペット施策について検討してまいります。
 
 次に、放置バイク及び放置自転車についてのお尋ねです。
 まず、住宅街での放置バイクについてです。
 バイクの違法駐車は、表通りだけではなく住宅街でも増加しており、歩行者等にとって危険な状況です。平成16年度には、バイク専用駐車場を区内の品川駅高輪口と六本木アークヒルズ前の道路に2個所整備しました。
 平成17年度からは民間の既存駐車場の空きスペースを活用して、バイク専用駐車場への改修支援等を実施します。
 さらに、安全・安心なまちづくりに向け、警察署による取り締まりをはじめ地域住民、区及び警察署の緻密な連携によるバイク利用者への啓発・PR活動に努めてまいります。

 次に、駅前の放置自転車とバリアフリーの街づくりについてのお尋ねです。
 駅前放置禁止区域における放置自転車等の整理、警告、撤去は定期的に実施しております。
 しかしながら、駅前には依然として大量の放置自転車があります。
 区は、平成17年度から新しく道路美化協力員制度を設け、協力員等との協働により、整理区域を拡大し、安全で安心な歩行環境づくりに取り組んでまいります。
 また、放置禁止区域内の即日撤去回数を増やし、駐輪場の利用促進に向け、自転車等利用者に対する正しい駐車方法の啓発を積極的に進めてまいります。

 最後に、港区の文化伝統の発展と都市間交流についてのお尋ねです。
 区民がさまざまな機会を通じて、全国各地の人々と草の根の段階から交流を深めることは、市民相互の理解を深め、互いの文化や伝統を再認識するうえで、大変有意義なものと考えております。これからも、引き続き、こうした区民の活動を支援してまいります。
 また、区民が身近に、区の文化に触れる機会を確保するとともに、区の歴史や伝統を地方に発信してまいります。更に、各地の産業の紹介や観光の案内などについても、積極的に取り組んでまいります。