平成17年度 予算特別委員会
民生費
父子家庭の支援について
ひとり親支援というと大体が思い浮かべるのは母子家庭のことです。しかしながら、数年、離婚に伴う、ひとり親家庭が増加し、港区では、平成16年4月1日現在で、総世帯数92,866のうち、推計される母子世帯が1,904で父子世帯が334とされています。また、平成10年に行われた全国母子世帯等調査によると、全国の母子家庭は955,000世帯、父子家庭は163,000世帯で、5年前の調査より、母子は21%急増、父子も4%増加しています。しかしながら、港区のデータでは推計、国の調査では古いものしかないかというと、児童扶養手当を受給している母子家庭と違い、父子世帯は行政では把握することが難しいからです。
昨年の栃木県小山市で起こった、幼い兄弟が殺害された事件でも父子家庭でした。地元の民生委員の方も、父子家庭で同居していることを知らなかったそうです。
父子家庭は、地域ネットワークの弱さや、生活情報力の乏しさというハンディから孤立しやすい傾向にあります。
父子家庭になる理由としては、離婚だけではなく、突然死別する場合もあります。死別によって父子家庭になってしまった方々はどんなに大変なことか想像がつくことと思いますが、父子家庭では約半数の方が家事に困っています。女性とは違い、今まで家事をほとんどやったことのない男性が急に家事をしなければいけないのは本当に大変です。港区でもホームヘルプのサービスが受けられる制度がありますが、しかしながら、中学生以下の子ども達の家庭とされています。
経済力という点においてみると、無職の専業主婦が職探しから始まるのとは全く対照的で、安定した職場と高い賃金のケースもあります。また、調査によると父子家庭の平均年収は422万円で、母子の229万の倍に近いため、自治体の支援も母子と父子では格差あります。しかしながら、残業などの長時間労働、また出張や転勤など、仕事と子育て、家事の両立に困っている男性が多いのが事実です。父子家庭になったからといって、パート労働に転職するのは非現実的です。どんなに経済力があっても、両親などと同居していないと子育てと仕事の両立が大変です。
経済的な弱者が多いとされる母子家庭には、母子児童扶養手当などを始め、各種の手当によるサービスは歓迎されているが、父子家庭が真に困っている実態が正確に補足されていないと感じられます。
東京都では、一定の収入以下の母子・父子家庭に、1児童につき「児童育成手当」として、月13,500円を支給しています。それ以外、母子家庭には、国から最高で月41,880円の児童扶養手当、都営住宅の特別減額、都営交通の無料パス、上下水道料金の減免も母子家庭だけが対象になっています。父子家庭はどんなに収入が低くても児童扶養手当は対象外です。
現在では、栃木県鹿沼市や千葉県野田市、滋賀県大津市、福井県武生市などが、国に準じた児童扶養手当を父子家庭にも支給し始めました。理由は、不況によるリストラで生活苦に陥る父子家庭もある。市として男女共同参画に力を入れてきたので、制度上、男女に開きがあるのはどうか」という声があがったためだそうです。
そこで質問します。
父子家庭における区のサービスは何があるのか。また、この中で所得制限がないものは何か。
《所得制限がないものは、ホームヘルプサービスとひとり親家庭休養ホームです》
「ひとり親家庭休養ホーム」におけるひとり親家庭の利用率は年何%か。
母子家庭、父子家庭それぞれは。
《全体の12%で、母子家庭は266世帯、父子家庭では7世帯、わずか2%のみです。》
利用している父子世帯は本当に少ない数です。父子家庭では、ネットワークがないため情報収集すら難しいものです。区としても、ひとり親家庭の実態把握をし、また、父子と母子の差によるサービスの違いはどのようなものか、父子家庭におけるサービスをどのように行うかについて、実態分析を行い、父子家庭の状況をどう受け止め、真に必要なサービスを構築する必要があると考えますがいかがでしょうか。
《家事援助、精神的サポートなど取り組んでいく》
次に、集合住宅におけるリバースモーゲージ制度の導入についてお尋ねいたします。
15年の第4定例会に、集合住宅にもリバースモーゲージ制度の導入をという質問を区長にしました。
その際の答弁は、「港区においては、さまざまな課題が想定されるので、そういう課題を充分検討し、区独自の制度が可能かどうか調査する。」
というものでしたが、その後の検討状況はいかがなものでしょうか。
《国では「長期生活支援資金」制度があり、港区社会福祉協議会では、東京都社会福祉協議会の窓口として、相談・受付業務を行っています。しかし、この制度は区分所有の集合住宅は貸付対象とはなっていません。
区分所有の集合住宅を担保とした貸付制度や連帯保証人の必要性については、長期生活支援資金の運用状況や国の動向を注視しながら、区独自の制度が可能かどうか、調査してまいります。》
民生費では、「父子家庭のひとり親支援」について質問しました。父子家庭は増加しているのにもかかわらず、ほとんど行政からの支援を受けることができません。母子家庭とは違うサービスを展開すべきです。また、母子家庭でも所得がある程度あると、支援を受けることが出来なくなります。少しの後押しを行政でできればと思います。
また、集合住宅におけるリバースモーゲージについての進捗状況をお聞きしました。答弁からすると、制度の導入は難しいと感じられます。区内の半数以上が集合住宅をしめる港区だからこそ、是非前向きに取り組んでいただきたいものです。